古都京都の看板はこんな特徴があります

日本の古都でもある京都は、神社仏閣をはじめ、名所旧跡や老舗の店、旅館など伝統のある街並みが存在します。毎年国内外から多くの観光客が訪れ、歴史的景観保護のため、昭和31年から屋外広告物における規制を設け、2007年には規制内容が大幅に改正され、2014年には京都市屋外広告物条例が完全施行されました。市内の屋上看板や点滅式看板を全面廃止するなど、全国で看板設置の条件が最も厳しいと言われています。市内全域では、赤色を基調としたものが禁止される他、原色系の比率が高い派手な看板も禁止されています。景観全体の統一感を出すために建物の高さも規制があるところもあります。条例に沿った看板に改修し、撤去にかかる費用は全額自己負担なので、対応に頭を悩ませた店や会社も少なくないようです。

京都では様々な工夫で景観と調和した看板が設置されている

看板広告は、基本的に白地を下地とした周囲と景観に調和したデザインが要求されます。赤色や黄色を下地にする場合は対称色を避けることが条件となっています。赤を中心とした暖色系の色は食欲を増進させる心理的効果があることから、飲食店の看板に多く用いられる傾向があります。このような規制の中で、京都にある全国チェーン展開をしている小売店舗は、既存のデザインから京都ならではのユニークなデザインに変更しています。お店のロゴはそのままで、文字の配色やイメージカラーの色を赤の場合茶色や朱色などの同系色に変えて地味な風合いにしています。看板だけでなく、店の内装もそれに合わせて統一感を出しているところもあります。外観上部を格子戸状にして、シックで和をイメージした感じに工夫するアイデアもあります。

京都仕様のデザインの看板を作る業者の腕前の良さが問われる

京都の街を闊歩すると、飲食店をはじめ、コンビニやガソリンスタンド、銀行など、様々な店や施設が街全体の景観に配慮した看板を設置していることがよくわかります。瓦屋根を取り入れている建物も数多く存在します。景観に配慮する分、本来の目立つ役割としての機能が欠けてしまいますが、そこは看板の美的センスによって補うことができます。京都の看板業者は顧客に好感がもてるようなデザインに力を入れているようです。外国人観光客への対応も、そのデザイン力でカバーされていると言ってもよいでしょう。また、京都市では、屋外広告物設置に関する条例に沿った看板設置を、店や施設が前向きに取り組めるよう、2012年に京都景観賞を新たに創設しました。この賞は、屋外広告部門、建築部門、景観づくり活動部門の3つに分かれており、個人または団体から募集を募って審査表彰するシステムで、条例違反の看板減少に効果が期待されています。